この記事ではハリーポッターシリーズに登場する不死鳥が、魂を保管する闇の魔術の産物である「分霊箱」になるのか解説していきます。また不死鳥が分霊箱になった場合、それが「破壊不可能な完璧な分霊箱」になる可能性を考察していきます。
分霊箱(ホークラックス)とは?
分霊箱(ホークラックス)とは、
魂を肉体から切り分け別の物体に保管する闇の魔術である。
切り分けた魂は、本体である肉体とは隔絶される。そのため、本来であれば死んでしまうようなダメージを受けたとしても、切り分けた魂がこの世に残るため、死を回避することができる。
原作ではその詳細についてホラス・スラグホーン教授の口から以下のように説明されている。
「ホークラックスとは、人がその魂の一部を隠すために用いられる物を指す言葉で、分霊箱のことを言う」
『ハリーポッターと謎のプリンス』第23章:ホークラックス
分霊箱の弱点と問題点
分霊箱の弱点は、魂が隠された器が破壊されると中に隠された魂も壊れてしまう点。
つまり分霊箱に収められた魂は、その器に完全に依存しており、
器無しには存在できないほど脆弱になる。
そのためヴォルデモート卿は分霊箱に呪いを施したり、分霊箱を保管する隠し場所に厳重な保護呪文をかけることで分霊箱を外的から守っていた。また分霊箱に収められている魂が、近くに居る人間の精神や生命力を奪うなど、分霊箱そのものにもある種の防御機能が備わっている。
一方、そもそも分霊箱を破壊することは難しく、「バジリスクの毒」や「悪霊の火」など強力な破壊力を持つ魔法アイテムや闇の魔術でなければ壊されることはない。
不死鳥とは?
不死鳥はハリーポッターシリーズに登場する魔法生物で、
死期を迎えると炎となって燃え上がり、灰の中から再び雛として蘇るという生態を持つ鳥である。
ハリーポッターシリーズでは、アルバス・ダンブルドアと共に生活していた不死鳥のフォークスが登場している。ダンブルドアは不死鳥を次のように説明している。
「あれはいつもは実に美しい鳥なんじゃ。羽は見事な赤と金色でな。うっとりするような生き物じゃよ、不死鳥というのは。驚くほどの重い荷を運び、涙には癒しの力があり、ペットとしては忠実なことこの上ない」
『ハリーポッターと秘密の部屋』第12章:ポリジュース薬
不死鳥を器(うつわ)とした分霊箱は可能なのか?
<不死鳥を分霊箱にすることは、理論上は可能>
実際ヴォルデモート卿は、生きたヘビであるナギニに自身の魂の一部を保管していた。
つまり、他の生き物に魂の一部を移し、分霊箱として利用することは可能なのである。
<ハリー・ポッターもヴォルデモートの分霊箱だった>
またハリー・ポッターにも意図せずヴォルデモート魂の一部が入り込んでおり、
ヴォルデモートが消滅する直前まで、ハリーの魂とヴォルデモートの魂が一つの肉体に共存していた。
このことからも、生物を分霊箱にすることは可能であると言える。
不死鳥を分霊箱にすることはできるのか?
以上のことから、不死鳥を分霊箱にすることは可能であると考えられる
その場合、ナギニやハリーのケースと同様、一つの体に二つの魂が共存することになる。
不死鳥は破壊不可能な分霊箱になる
不死鳥に魂の一部を保管した場合、それは 破壊不可能な分霊箱 になる。
不死鳥はたとえ死に至る程のダメージを負ったとしても、雛鳥として蘇ることができる。
つまり、不死鳥は破壊されることのない「魂の器」となることができると考えられる。
分霊箱は「器が破壊されない限り守られる」という特性があるため
不死鳥を分霊箱にした場合、それは破壊不可能な完璧な分霊箱となる、と考えられる。
あくまでも、理論上の話
ここまで「不死鳥は破壊不可能な分霊箱になる」と語ってきたが、それはあくまで理論上の話である。
というのも、不死鳥は高潔な生き物であり、分霊箱のような闇の魔術とは対極の存在である。
そのため、不死鳥が分霊箱になることを拒む、もしくは何らかの拒否反応から、分霊箱の器として適さない可能性も考えられる。