『ハリー・ポッター』シリーズに登場するゴーストの嘆きのマートル。『秘密の部屋』や『炎のゴブレット』に登場する少女のゴーストだ。
彼女はトム・リドルが解き放ったバジリスクに睨まれ、ホグワーツのトイレで命を落とし、
その後ゴーストとなってこの世に戻ってきた。
映画・原作のハリポタでは、マートルの遺体を引き取りにホグワーツを訪れているが、
その時すでにマートルはゴーストの姿になってこの世に戻ってきていた。
しかし、マートルは両親と再会することはできないのである。
その悲しいダークな説を解説していきたいと思う。
マートルが命を落とした経緯
マートルが命を落とした日、同級生の「オリーブ・ホーンビー」に眼鏡の事をからかわれ、トイレに籠って泣いていた。そこにトム・リドルが現れ、バジリスクの「死の視線」によって落としたのだ。
バジリスクに睨まれると即死してしまうのだが、マートルの話ではかなり早い段階でゴーストの状態になって戻ってきていたという。
「私の死体だって、何時間も何時間も気づかれずに放って置かれた―わたし知ってるわ。あそこに座ってみんなを待っていたんだもの。」
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第25章:玉子と目玉
マートルがこの世に戻ってきた理由
マートルがこの世に戻ってきた理由は、この世に未練があったからに他ならないのだが、
同級生への恨みが理由である。
当時の気持ちをマートルは次のように語っている。
「そして、また(ゴーストになってこの世に)戻ってきたの。だって、オリーブ・ホーンビーに取っ憑いてやるって固く決めてたから。あぁ、オリーブったら、わたしのメガネを笑ったこと後悔してたわ」
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第16章:秘密の部屋
マートルの遺体を引き取りに来た両親
マートルの死後、彼女の両親がホグワーツを訪れている。映画では「遺体を引き取りに来る」とされている。ここでは原作の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』での描写を引用する。
「死んだ女子学生のご両親が、明日学校に来る。娘さんを殺したやつを、確実に始末すること。学校として、少なくともそれだけはできる」
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第13章:重大秘密の日記(トム・リドルのセリフ)
マートルの両親がホグワーツに来ていたということは、ゴーストになったマートルと再会していると思われがちだが、実はそれは実現不可能なのである。
マートルは二度と両親と再会することはできないのだ。
なぜマートルは両親と再会できないのか
マートルが両親と再会できない理由、それはマートルがマグル生まれで両親がマグルだからである。
実はマグルはゴーストの姿を見ることはできない。
ゴーストがいる気配、例えばゴーストが放つ特有の「寒気」や「薄気味悪さ」などは感じるが、映画や原作でハリー達がゴーストと触れ合うようなことは、マグルには不可能なのだ。
ゴーストが憑りついている場所について、マグルは単に「寒い」とか「気味が悪い」としか感じませんが、魔女と魔法使いにははっきりとゴーストの姿が見えたり、声や音が聞こえたりします。ゴーストの姿がくっきりとみえるとマグルが主張した場合、嘘をついているか、魔法使いが目立とうとしているかのどちらかです。
『ホグワーツ不完全&非確実』第5章:城の住人
つまり、ゴーストとなってこの世に戻ってきたマートルは、両親と再会することはできなかった。
また、両親が他界しあの世に行った場合でも、死後の世界にマートルはいない。
つまり、マートルはこの世でもあの世でも、両親との再会は叶わないのだ。
さらにゴーストになってこの世に戻ってこれるのは、魔法使いだけである。
つまりマートルの両親がゴーストになりマートルと再会する、という方法も不可能である。
「誰もがゴーストとして帰ってこられるわけではありません」
「どういうこと?」ハリーはすぐ聞き返した。
「ただ……ただ、魔法使いだけです」
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』第38章:二度目の戦いへ(ハリーとほとんど首無しニックの会話)
マートルは意外と気にしていない?
一方マートルは、両親と再会できないことをあまり気にしていないかもしれない。
というのも、マートルは女子トイレで「嘆いている」わけだが、彼女が両親について口にしたことはない。彼女が語るのは、「自分の生前がいかにみじめであったか」や「ゴーストになっても可哀想な自分」だからだ。両親との別れが未練であるなら、そのことを嘆いているはずである。
「みんなが陰で、私のことなんて呼んでいるか、知らなとでも思ってるの?太っちょマートル、ブスのマートル、惨め屋・うめき屋・ふさぎ屋マートル!」
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第8章:絶命日パーティ
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本件についてはYouTubeでも取り上げて解説している。
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また、「嘆きのマートル」に関するダークな考察を他にも紹介しているので、ご興味のある方は下記から読んでみてほしい。マートルの不気味な魅力が深まると思う。