なぜスネイプはグリフィンドールの剣を凍った湖の底に置いたのか?

考察&解説
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『ハリーポッターと死の秘宝』でハリーはグリフィンドールの剣が凍った湖の底に置かれていることを発見した。牝鹿の姿のパトローナスが、ハリーをグリフィンドールの剣まで導いたのだ。

この出来事の裏側としては、スネイプがホグワーツに保管されていた剣を湖の底に置き、ハリー達が分霊箱を破壊できるよう秘密裏に協力していたのだ。

一方、なぜスネイプはグリフィンドールの剣をわざわざ凍った湖の底に置いたのだろうか
ヴォルデモートを倒すための唯一の手段ともいえる重要な剣であれば、直接渡すことは無理でも、森のどこかに隠すだけで十分なはずである。わざわざ凍った湖の底に置く必要が考えられない。

そこで今回の記事では「なぜスネイプがグリフィンドールの剣を湖の底に置いたのか」解説と考察を行っていきたいと思う。JKローリングが物語完結後に行った解説や、原作の描写を元に紐解いていく。

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JKローリングの説明

JKローリンが後に語った内容

ウィザーディング・ワールドのウェブサイトにて、スネイプがグリフィンドールの剣を湖の底に置いた経緯について、JKローリングは次のように語っている。

<原文>

There is a further allusion to Excalibur emerging from the lake when Harry must dive into a frozen forest pool to retrieve the sword in Deathly Hallows (though the location of the sword was really due to a spiteful impulse of Snape’s to place it there) (中略)
引用:https://www.wizardingworld.com/writing-by-jk-rowling/the-sword-of-gryffindor

<翻訳>

ハリーがグリフィンドールの剣を凍った森の湖から回収しなければならない場面は、エクスカリバーが湖の底から出現した伝説を暗喩しています(とはいえ、剣の置き場所に関しては、そこに置きたいというスネイプの意地の悪い衝動によるものですが)
翻訳:サイト管理人

スネイプの悪意が原因…なのか?

上記の内容を元にすれば、凍った湖の底にグリフィンドールの剣が置かれたのは、
スネイプの意地悪が原因であるように思われる。

しかし、この記事ではそれを鵜呑みにはしない。
上記のJKローリングの説明だけを見れば「スネイプがただ意地悪をした」だけのように思われてしまうが、そうだとすると、原作の描写と合致しない部分が生まれる

先に結論を述べれば、グリフィンドールの剣が凍った湖の底に置かれていたのは
「ハリーがグリフィンドールの剣の所有条件を満たすため」であると考えられる。

グリフィンドールの剣が手に入る条件

「グリフィンドールの剣」はゴドリック・グリフィンドールが所有していた剣で、長らく行方不明になっていた伝説の遺物である。

真のグリフィンドール生

グリフィンドールの剣は『ハリーポッターと秘密の部屋』で、ハリーが「組分け帽子」の中かから取り出すことに成功したが、その条件は次のように説明されている。

「真のグリフィンドール生だけが、帽子から、思いもかけないこの剣を取り出してみせることができるのじゃよ、ハリー」ダンブルドアはそれだけを言った。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第18章:ドビーのごほうび

また原作の『ハリーポッターと死の秘宝』でも次のように解説されている。

「信頼できる歴史的文献によれば、剣は、それにふさわしいグリフィンドール生の前に現れると言う」スクリムジョールが言った。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第7章:アルバス・ダンブルドアの遺言

「真のグリフィンドール生」の条件とは?

グリフィンドールの剣は「真のグリフィンドール生」の前にのみ現れることは明らかだが、それはどのような人物を指すのだろうか。この点についてはダンブルドアが具体的に説明している描写がある。

「さてセブルス、剣じゃ! 必要性と勇気という二つの条件を満たした場合にのみ、剣が手に入るということを忘れぬように――(中略)
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章:プリンスの物語

ここで新たに「必要性」という条件が求められることがわかった。

「必要性」とは剣を振るうに値する状況のことだと推察できる。実際、ハリーが剣を手にしたのは、バジリスクを倒すためだった。そしてネビルが手に入れた際の状況は、分霊箱のナギニを破壊するときだった。

「勇気を示し、剣を使う必要のあるグリフィンドール生」
それが「真のグリフィンドール生」なのだ。

「勇気と必要性」を満たす条件をスネイプが作った

剣を所有できる条件

一度ここまでの話をまとめると、グリフィンドールの剣は以下の人物が所有できると考えられる。

  • グリフィンドール生であること
  • 勇気を示すこと
  • 剣を手に入れる必要性があること

条件を満たすため、「凍った湖の底に置く」意地悪な方法を選んだ

スネイプはハリーが分霊箱を破壊できるよう、グリフィンドールの剣を所有できる条件を満たす状況を作り出す必要があった。その場所として、「凍った湖の底」を選んだのではなだろうか。実際、スネイプにはこのような選択をする計画があったことが示唆されている。

「ハリーには、剣をどうすればよいかがわかるはずじゃ。しかしセブルス、気をつけるのじゃ。ジョージ・ウィーズリーの事故のあとじゃから、きみが姿を現せば、あの子たちは快く受け入れてはくれまい――」 スネイプは、扉のところで振り返った。
「ご懸念には及びません、ダンブルドア」
スネイプは冷静に言った。
「私に考えがあります……」 スネイプは校長室を出ていった。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章:プリンスの物語

「私に考えがあります……」
まさに「できるだけ意地悪な方法で剣を渡そう」という考えだったのではないだろうか。

意地悪な方法を選んだスネイプ

スネイプは「せいぜい寒い思いをして剣を手に入れればいい」と考えたのだろう。
JKローリングが言う「衝動的な悪意」とはこのような意味だと思われる。

「必要性と勇気」を満たすのであれば、「高い木のてっぺんに設置し勇気を示して自力で登らないといけない状況」でも、「剣を取ろうとすると魔法で作られたケルベロスが襲ってくる試練」でもよかったのである。

森の中にたまたま凍った湖があり、ちょうど潜らないと取れない深さだった―。
スネイプがハリーに意地の悪い試練を与えるにはぴったりの場所があったのだ。

YouTubeでの解説

この件についてはYouTubeでも解説している。
ぜひこの説の理解に役立てていただけると幸いである。

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