【裏話】ハーマイオニーの猫クルックシャンクスに隠された過去?クルックシャンクスはポッター家の猫だった説

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ハーマイオニーの愛猫、クルックシャンクス。その特徴的なつぶれた顔や気難しそうな表情は、読者の記憶に強く残っていることでしょう。

実は、このクルックシャンクスについて、ある興味深い説があります。

それは、「クルックシャンクスは、ハリーの両親であるリリーとジェームズ・ポッターが飼っていた猫だったのではないか?」というもの。

一見、突拍子もないように聞こえますが、作中の描写や公式情報からこの説を紐解いていくと、意外な信憑性が見えてきます。今回は、この「クルックシャンクス=ポッター家の猫説」について、その根拠を徹底的に考察していきましょう。

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クルックシャンクスとは?

クルックシャンクスは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で初登場しました。ハーマイオニーがダイアゴン横丁のペットショップで購入した、オレンジ色の毛を持つ長毛種の猫です。映画版のハリポタでは「ハリーポッターとアズカバンの囚人」から登場しました。

作中では、その独特な外見について、以下のように描写されています。

赤味がかったオレンジ色の毛がたっぷりとしてふわふわだったが、どう見てもちょっとガニ股だったし、気難しそうな顔がおかしな具合につぶれていた。まるで、レンガの壁に正面衝突したみたいだった。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第4章:漏れ鍋

クルックシャンクス=ポッター家の猫説を紐解く4つの根拠

この説を裏付ける要素は、主に4つあります。

根拠① ポッター家は猫を飼っていた

ハリーの両親であるリリーとジェームズ・ポッターが猫を飼っていたことは、作中で明確に示唆されています。『ハリー・ポッターと死の秘宝』で明らかになった、リリーがシリウスに宛てた手紙の一部を見てみましょう。

一歳なのに、もうおもちゃの箒に乗って飛び回っていて、自分でもとても得意そうなの。写真を同封しましたから見てください。地上からたった六十センチぐらいしか浮かばないのに、ハリーったら危うく猫を殺してしまうところだったし、ペチュニアからクリスマスにもらった趣味の悪い花瓶を割ってしまったわ(これは文句じゃないんだけど)。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第10章:クリーチャー語る

この手紙から、ポッター家にはハリーと共に暮らす猫がいたことがわかります。

根拠② ポッター家の猫は行方不明になっている

ヴォルデモート卿がポッター家を襲撃した際、リリーとジェームズは命を落とし、ハリーは唯一の生存者となりました。しかし、このときポッター家で飼われていた猫がどうなったのかは、作中で描写されていません。

猫が襲撃に巻き込まれて命を落とした可能性もゼロではありませんが、猫は野生でも生き抜く力を持つ動物です。ポッター家が崩壊した後も、どこかで生き延びた可能性は十分にあるでしょう。この「行方不明」という描写が、この説を生み出す大きなきっかけとなっています。

根拠③ ポッター家の猫がクルックシャンクスに酷似している

では、ポッター家で飼われていた猫はどのような姿をしていたのでしょうか?
そのヒントとなるのがWizarding Worldの公式イラストです。

このイラストを見ると、リリーとジェームズのそばに、オレンジ色の毛並みで鼻がつぶれたような顔つきの猫が描かれています。これは、クルックシャンクスの特徴と驚くほど酷似しており、この説の説得力を高める要素と言えるでしょう。

根拠④ クルックシャンクスは「長い間」ペットショップにいた

最後の根拠は、クルックシャンクスの出自です。
原作では、クルックシャンクスが長い間ペットショップにいたことが示唆されています。

「かわいそうなクルックシャンクス。あの魔女(ペットショップの店員)が言ってたわ。この子、もうずいぶん長ーいことあの店にいたって。誰もほしがる人がいなかったんだって」
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第4章:漏れ鍋

ポッター家が崩壊したのは、ハリーが1歳のとき。ハーマイオニーがクルックシャンクスを購入したのは、ハリーが13歳のときです。この間、約12年間。もしポッター家の猫が迷子になり、保護された後、ペットショップで飼い主を待っていたのだとすれば、この「ずいぶん長ーいこと」という期間と見事に一致します。

考察:クルックシャンクスが歩んだもう一つの物語

これらの根拠をもとに、ひとつの物語を紡ぎ出すことができます。

ポッター家でリリー、ジェームズ、そして赤ん坊のハリーと共に幸せに暮らしていた一匹の猫がいました。しかし、ある夜、ヴォルデモート卿の襲撃という悲劇が起こり、猫は愛する家族を失い、たった一匹で世界に取り残されてしまいます。

飼い主を失った猫は、しばらく野良猫として孤独な日々を過ごしますが、やがて保護されてダイアゴン横丁のペットショップに引き取られます。しかし、そのユニークな外見からか、なかなか買い手は現れません。そして十数年の月日が流れ、猫は店でひっそりと時を重ねていました。

そんなある日、ペットショップを訪れたハーマイオニー・グレンジャーと運命的な出会いを果たします。猫は彼女に引き取られ、再び暖かな家庭を得ることに。

そして猫は知らず知らずのうちに、かつての家族の面影を持つハリーのそばに戻ってきたのです

これはあくまでいくつかの根拠をもとにした想像の物語ですが、ハリーとクルックシャンクスの間に、このような深い絆の物語があったと考えるのは、とてもロマンチックではないでしょうか。

長寿すぎない?という疑問への回答

この説に対して、「猫にしては長生きすぎるのでは?」という疑問が浮かぶかもしれません。
しかし、この点もいくつかの要素で説明が可能です。

  • 猫の寿命: ポッター家で飼われた際に1歳の成猫だったと仮定すると、ハーマイオニーに飼われた段階でクルックシャンクスは14歳ということになります。これは決して珍しい年齢ではなく、元気に14歳以上を生きる猫は多く存在します。
  • ニーズルの血: また、クルックシャンクスは「ニーズル」という魔法生物のハーフであることが判明しています。魔法生物は、通常の動物よりも長寿であることが一般的です。この魔法生物の血が、クルックシャンクスの寿命を延ばしている可能性も考えられます。

これらの要素を考慮すると、「長生きすぎる」という問題も、この説の大きな障害にはならないでしょう。

まとめ

作中の描写や公式イラストから導き出される、「クルックシャンクス=ポッター家の猫説」。

これはあくまでファンの考察に過ぎませんが、もし本当だとしたら、クルックシャンクスはハリーの家族を失い、孤独な日々を経て、再びハリーのそばに戻ってきたことになります。

運命的な巡り合わせを経て、奇妙な顔の猫がハリーとハーマイオニーをつなぐ存在になったのだと考えると、ハリー・ポッターの世界がより深く、温かく感じられるのではないでしょうか。

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