嘆きのマートルは同級生を呪い殺した?ゴースト少女の知られざる過去

考察&解説
vladislavpantic
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『ハリーポッターと秘密の部屋』から登場するホグワーツのゴースト「嘆きのマートル」。本名は「マートル・ワレン」という女の子で、マグル生まれのレイブンクロー生だ。

彼女はハリポタでは女子トイレに住みつくゴーストであるが、意外な過去があると言われている。それが「同級生の女性を呪い殺した」というものだ。これは原作の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で示唆されており、マートルの知られざる過去の一部となっている。

今回はゴーストとなったマートルのダークな過去について考察してみたいと思う。

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おさらい:マートルがゴーストになった経緯(死因)

嘆きのマートルこと「マートル・エリザベス・ワレン」はかつてホグワーツに在籍していたレイブンクロー生の魔女であり、マグルの家庭出身である。

ある日、マートルが同級生の「オリーブ・ホーンビー」に眼鏡の事でからかわれたことをきっかけに女子トイレで泣いていたところ、学生時代のヴォルデモート(トム・リドル)が解き放ったバジリスクに睨まれ、即死してしまう

マートルは当時の様子を次のように振り返っている。

「君が死んだ時の様子を聞きたいんだ」 マートルはたちまち顔つきが変わった。こんなに誇らしく、うれしい質問をされたことがないという顔をした。
「オォォォゥ、怖かったわ」マートルはたっぷり味わうように言った。
「まさにここだったの。この小部屋で死んだのよ。よく覚えてるわ。オリーブ・ホーンビーがわたしのメガネのことをからかったものだから、ここに隠れたの。鍵を掛けて泣いていたら、誰かが入ってきたわ。何か変なことを言ってた。外国語だった、と思うわ。とにかく、いやだったのは、しゃべってるのが男子だったってこと。だから、出ていけ、男子トイレを使えって言うつもりで、鍵を開けて、そして――」マートルは偉そうにそっくり返って、顔を輝かせた。
「死んだの」
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第16章:秘密の部屋

なぜマートルはゴーストになったのか

マートルがゴーストになりこの世に戻ってきたのは、彼女をからかった同級生の「オリーブ・ホーンビー」への恨みである。当時の様子をマートルはこう振り返る。

「そして、また(ゴーストになってこの世に)戻ってきたの。だって、オリーブ・ホーンビーに取っ憑いてやるって固く決めてたから。あぁ、オリーブったら、わたしのメガネを笑ったこと後悔してたわ」
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第16章:秘密の部屋

魔法使いが死んだとき、本人が望めばゴーストとしてこの世に戻ってくることができるが、その選択をする魔法使いは決して多くないという。ゴーストになることを選ぶ魔法使いは、この世に強い未練を残した場合だけだ。これについてはゴーストのひとり「ほとんど首無しニック」の話が参考になる。

「魔法使いは、地上に自らの痕跡を残していくことができます。生きていた自分がかつてたどった所を、影の薄い姿で歩くことができます」ニックは惨めそうに言った。「しかし、その道を選ぶ魔法使いは滅多にいません」(中略)
「私は死ぬことが恐ろしかった」ニックが低い声で言った。
「私は残ることを選びました。ときどき、そうするべきではなかったのではないかと悩みます……。いや、いまさらどっちでもいいことです……事実、私がいるのは、ここでも向こうでもないのですから……」ニックは小さく悲しげな笑い声を上げた。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第38章:二度目の戦いへ

ほとんど首無しニックの話を参考にするならば、マートルのオリーブ・ホーンビーに対する恨みはこの世に残す強い未練であったことが窺い知れる。恐らく、長年に渡りマートルとオリーブの間には確執があり、いざこざが絶えなかったのだろう。

マートルが憑りは「ある女性」に憑りついていた

ゴーストとなってこの世に戻ってきたマートルは、それからオリーブに憑りついたと原作では語られている。何年も彼女に憑りつき、彼女にマートルの死の責任と恨みを思い出させたのだという。

「オリーブはわたしの死体を見たわ……うぅぅぅー、オリーブは死ぬまでそのことを忘れなかった。わたしが忘れさせなかったもの……取り憑いて、思い出させてやった。そうよ。オリーブの兄さんの結婚式のこと、覚えてるけど――」
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第25章:玉子と目玉

マートルの話が本当であるならば、マートルはオリーブに執着していたようだ。眠りもせず、壁を通り抜けてどこからでも姿を現すゴーストが、恨みがましく付きまとい「あなたのせいで死んだ」と嘆く様子は、まさに呪いそのものである。

マートルは同級生を呪い殺していた!?

「オリーブは死ぬまでそのことを忘れなかった」ということは、オリーブは最後までマートルの死の責任を感じていたことが窺える。

さらに、「マートルの呪い」が原因で精神を病み、死亡してしまったとも考えられる。なぜなら、魔女は100歳前後まで健康的であることは珍しくないが、オリーブは少なくとも66歳で死亡しているからだ。

  • マートルの死亡:1943年(14歳)
  • マートルがハリーにオリーブの話をした年代:1995年
  • マートルとオリーブが同い年だとすると、オリーブは66歳までに死去

物語では、ダンブルドアが116歳で死去し、それまで足腰も弱らずにヴォルデモート卿と決闘で張り合える程の健康を維持していた。それを考慮しても、66歳はあまりにも早すぎる死である。不幸な病死であることも考えられるが、病気の原因がマートルの付きまといによる「精神的な衰弱」であることも否定できない。

「オリーブは死ぬまでそのことを忘れなかった。わたしが忘れさせなかったもの」というマートルの発言からは、どこか「やり遂げた感」をすら感じ取れる。マートルは、やはり同級生を呪い殺していたのではないだろうか…

皆さんのご意見を募集

この考察についてはYouTubeも投稿しているので、ぜひ皆さんのご意見をコメントでお聞かせ願いたい。ハリポタ界のゴースト、嘆きのマートルにはまだまだ謎が多い。

 

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