プロフィール
リリー・エバンズ(またはリリー・ポッター)は、「選ばれし者:ハリー・ポッター」の母親である。物語開始時にはすでに死亡しており、リリーを知る者の記憶、回想、霊体として登場する。
フルネーム | リリー・エバンズ(後、ポッター姓) |
生年月日 | 1960年1月30日 |
所属寮 | グリフィンドール |
杖 | ユニコーンの毛、ヤナギの芯材、26センチ |
出自 | 純血もしくは半純血かマグル生まれ |
性格
誰にでも好かれる女性
リリー・エバンスは、明るく活発で、聡明な女性だった。そのことは生前のリリーと交流のあった多くの人物が語っている。差別や偏見、不正を許さず、さっぱりとした性格で、多くの友人に恵まれていたことが示唆されている。
魔法薬学の担当教授だったスラグホーンは、リリーについて次のように語っている。
「あの子に会った者は、誰だって好きにならずにはいられない……あれほど勇敢で……あれほどユーモアがあって……」
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第22章:埋葬のあと(スラグホーンのセリフ)
正義感が強い
リリーは正義感が強く、弱い者いじめや不平を許さない性格だった。特に幼馴染であるスネイプがジェームズ達にいじめられている時は、率先してスネイプを守り、ジェームズの非行を止めた。
「冗談のつもりでしょうけど」リリーが冷たく言った。「でも、ポッター、あなたはただの傲慢で弱い者いじめの、いやなやつだわ。彼(スネイプ)にかまわないで」
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第28章:スネイプの最悪の記憶
また闇の魔術に対しては強い嫌悪を露わにしていた。学生時代、既にヴォルデモートを信奉し、闇の魔術を使用する生徒達には「邪悪」「大嫌い」と語っていた。
その態度は、そのような生徒と親しいスネイプにも向けられ「理解できない」と次のように語っている。
「あなたに言われるまでもないわ。でも、マルシベールとかエイブリーが冗談のつもりでしていることは、邪悪そのものだわ。セブ、邪悪なことなのよ。あなたが、どうしてあんな人たちと友達になれるのか、わたしにはわからない」
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章:プリンスの物語
外見
リリーの外見は赤毛で緑色の瞳が特徴的に描かれている。特に緑色の瞳は美しく、それは息子のハリーにも受け継がれている。生前のリリーを知る者は、ハリーの目がリリーとそっくりであることに必ず言及している。それ程、リリーの瞳は人々の印象に残る特徴であると言える。
湖の辺にいた女の子の一人だった。たっぷりとした濃い赤毛が肩まで流れ、驚くほど緑色の、アーモンド形の眼――ハリーの眼だ。ハリーの母親だ。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第28章:スネイプの最悪の記憶
主な活躍
不死鳥の騎士団のメンバー
リリーは不死鳥の騎士団の創設メンバーの一人である。ホグワーツ卒業後、騎士団に加わり、ヴォルデモート陣営に抵抗した。実際の戦闘経験もあり、ヴォルデモート卿との交戦経験も示唆されている。
「愛の加護」による保護呪文
リリーは「愛の加護」による保護魔法により、息子であるハリーの命を救い、ヴォルデモート卿を弱体化させた。これが魔法界とヴォルデモート卿との戦いに一時的に終止符を打った。
交友関係
セブルス・スネイプ
セブルス・スネイプはリリーの幼馴染である。リリーに魔法の素質がある事、ホグワーツの事などを教えた。そのため、リリーはホグワーツから手紙が来る以前から、自身の不可思議な能力が魔法であることに気が付いていた。
リリーは、ペチュニアがよく見えるように近くに来るまで待ってから、手を突き出した。花は、その手のひらの中で、襞の多い奇妙な牡蠣のように、花びらを開いたり閉じたりしていた。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章:プリンスの物語
セブルス・スネイプと友情を築いていたリリーだが、スネイプがリリーを「穢れた血」と呼んだことをきっかけに疎遠になる。それ以降、スリリーは不死鳥の騎士団へ加入し、スネイプはデスイーターとなり、2人は完全に袂を分かつことになった。
「――わたしを『穢れた血』と呼ぶつもりはなかった? でもセブルス、あなたは、わたしと同じ生まれの人全部を『穢れた血』と呼んでいるわ。どうして、わたしだけが違うと言えるの?」 セブルスは、何か言おうともがいていた。しかし、リリーは軽蔑した顔でスネイプに背を向け、肖像画の穴を登って戻っていった……。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章:プリンスの物語
ジェームズ・ポッター
ジェームズ・ポッターはリリー・エバンスの夫となる人物である。当初はジェームズからの一方的な好意を完全に拒否していた。というのも、当時のジェームズは「傲慢で目立ちたがり屋」であり、悪戯で他人に呪いをかけるような悪ガキだったからである。
「ジェームズ・ポッターが、傲慢でいやなやつなのはわかっているわ」 リリーは、スネイプの言葉を遮った。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章:プリンスの物語
しかし、ジェームズの悪ガキ行為が次第に落ち着いてくると、リリーはジェームズへの態度を軟化させ、7年生になるころには交際を開始した。
「母さんはどうして父さんと結婚したの?」ハリーは情けなさそうに言った。
「父さんのことを大嫌いだったくせに!」
「いいや、それは違う」シリウスが言った。
「七年生のときにジェームズとデートしはじめたよ」ルーピンが言った。
「ジェームズの高慢ちきが少し治ってからだ」シリウスが言った。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第29章:進路指導
能力・特技
闇の魔術への防衛・戦闘技術
リリーは闇の魔術に対する高い防衛力と戦闘技術をもちあわせていたことが示唆されている。例えば、リリーは実体のあるパトローナス(牝鹿)を出現させることができた。
またデスイーターやヴォルデモートとの戦闘経験もあり、幾度となく生き残っている。
魔法薬の才能
リリーには魔法薬の才能があったことが示唆されている。当時、リリーの担任を受け持っていたスラグホーンは、彼女の能力を高く評価していた。
「すばらしい、すばらしい、ハリー! なんと、君は明らかに母親の才能を受け継いでいる。彼女は魔法薬の名人だった。あのリリーは! さあ、さあ、これを――約束のフェリックス・フェリシスの瓶だ。上手に使いなさい!」
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第9章:謎のプリンス