ハリポタに登場するスクイブについて解説します。
スクイブとは?
スクイブとはハリーポッターシリーズに登場する用語のひとつで、魔法使いの家系に生まれながらも魔力を持たない人を指す言葉である。両親の両方、またはどちらかが魔法使いでありながら、魔法を使うことができない人物は「スクイブ」となる。いうなれば、「魔法使い生まれのマグル(非魔法族)」である。
英語では「Squib」と表記され、カタカナ読みの「スクイブ」がそのまま日本語訳として用いられている。
スクイブは差別の対象?
一部の純血の魔法使い達は、スクイブを「出来損ない」として蔑んでいる。純血主義的な家系ではスクイブが生まれると、一族から追放し、家系図から抹消し、その存在をひた隠しにする。「純粋な魔法使い」であることに誇りを感じている魔法使いにとって、自身の家系に「出来損ない」が存在することに我慢ならないのである。
しかし魔法界全体を見れば、スクイブが表立って差別されている描写はない。「マグル生まれの魔法使い」と同様に、多様性の一部として認識していると考えられる。
一方、スクイブ自身は、自身を「出来損ないのスクイブ」と呼称することもあり、スクイブ自身には多かれ少なかれ劣等感のようなものがあるのかもしれない。
「あたしゃ、でき損ないのスクイブで」フィッグばあさんが言った。
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』第8章:尋問
フィルチの顔が苦しげに歪んだ。
『ハリーポッターと秘密の部屋』第9章:壁に書かれた文字
「わたしができ損ないの『スクイブ』だって知ってるんだ!」
フィルチがやっとのことで言葉を言い終えた。
マグルとスクイブの違い
完全なマグルとスクイブには違い様々な違いがある。
<魔法界に関する知識>
スクイブは魔法使いの家系に生まれる。幼少期は魔法使いのコミュニティで生活するため、魔法族がマグルに隠れて生活していることや、その他の魔法に関する知識を持ち合わせている。
<魔法を知覚する能力>
スクイブは魔法は使えないものの、通常のマグルでは知覚することのできないものを見たり聞いたりすることができる。例えば、アラベラ・フィッグはスクイブであるが、マグルには視認することができないディメンターを見ることができると証言している。
「ところで、スクイブは吸魂鬼(ディメンター)が見えるのかね?」ファッジは裁判官席の左右を見ながら聞いた。
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』第8章:尋問
「見えますともさ!」フィッグばあさんが怒ったように言った。
スクイブが生まれるとどうなる?
スクイブが生まれると、主に次のような選択肢が与えられる。
- マグルとして、マグル界で生活する
- 魔法は使えないが、魔法界で生活する
<マグル界で生活する場合>
魔法界において魔法なしで生活することは非常に困難である。なぜなら、日常生活や仕事においては、マグルが文字を読み書きするのと同じくらい当たり前に魔法を使わなければならないからである。そのため、魔法が仕えなければ一般的な仕事に就くことも、仕事をこなすことも難しい。そのため、スクイブはマグル界で生活することを勧められる。実際、モリー・ウィーズリーの親類のひとりはスクイブで、会計士として生活していることが示唆されている。
「ママのはとこだけが会計士だけど、僕たちはその人のことをわだいにしないことにしてるし」
『ハリーポッターと賢者の石』第6章:9と3/4番線からの旅(ロン・ウィーズリーのセリフ)
<魔法界で生活する場合>
スクイブは魔法界と繋がりがある人物のため、魔法界で生活するこも可能である。しかし魔法が使えないため、ホグワーツで魔法の教育を受けることもできず、就職先は非常に限られる。ハリーポッターシリーズにおいて、スクイブでありながら魔法界で生活しているのは、ホグワーツの管理人のアーガス・フィルチのみである。
スクイブとして魔法界で生活することの大変さは、アーガス・フィルチの仕事を見れば明らかである。魔法使いであれば杖の一振りで片付くような掃除や雑用を、マグル同様人力で行っている。また生徒がいたずらで施した魔法に対して、まったくなすすべがない。
作中に登場するスクイブ
- アーガス・フィルチ
ホグワーツの管理人。魔法が使える生徒達に嫉妬している節がある。 - アラベラ・フィッグ
プリベット通りに住むスクイブ。普段はマグルとして生活しているが、不死鳥の騎士団の協力者として密かにハリーを見守っている。 - モリー・ウィーズリーのはとこ
『ハリー・ポッターと賢者の石』で言及された人物。名前などの詳細は不明。 - ドローレス・アンブリッジの弟
マグルの母と魔法使いの父の間に生まれたスクイブ。幼少期に母親とともに離縁している。