プロフィール
モリー・ウィーズリーは『ハリー・ポッターと賢者の石』から登場するウィーズリー家の魔女であり、ロン・ウィーズリーの母親である。映画・原作ともに数多くの場面で登場している。
フルネーム | モリー・ウィーズリー(旧姓:プルウェット) |
生年月日 | 年不明、10月30日 |
所属寮 | グリフィンドール |
杖 | 不明(茶色の木材にシンプルな持ち手) |
出自 | 純血(プルウェット家→ウィーズリー家) |
性格
モリーのは愛情と優しさにあふれた女性であると言える。それはウィーズリー家のメンバーとの関わり方や、ハリーやハーマイオニーなど、外部の人間への接し方に顕著に表れている。
家族思いのお母さん
モリーは家族思いの良き母親であると言える。常に家族の事を一番に考え、夫であるアーサー・ウィーズリーと六男一女の子ども達に深い愛情を持って接している。モリーの言動の多くは、ほとんどの場合「優しさと愛情」に満ちている。
一方、六男一女を育てる母親として、優しいばかりではなく、ヤンチャが過ぎた子供たちにはしっかりと叱ることもある。甘やかすだけの母親ではなく、善悪をきっちり区別し、それを子ども達に教育していると言える。特にウィーズリー家の面々が最初にハリーに会った際、「ハリーの気持ちを考えた言動をするように」と、子ども達に言い聞かせている。
「駅でそばにいた黒い髪の子、覚えてる? あの子はだーれだ?」
「だあれ?」
「ハリー・ポッター!」 ハリーの耳に女の子の声が聞こえた。
「ねえ、ママ。汽車に乗って、見てきてもいい? ねえ、ママ、お願い……」
「ジニー、もうあの子を見たでしょ? 動物園じゃないんだから、じろじろ見たらかわいそうでしょう。でも、フレッド、ほんとなの? なぜそうだとわかったの?」
(中略)
「そんなことはどうでもいいよ。『例のあの人』がどんなだったか覚えてると思う?」
母親は急に厳しい顔をした。
「フレッド、聞いたりしてはだめよ、絶対にいけません。入学の最初の日にそのことを思い出させるなんて、かわいそうでしょう」
『ハリー・ポッターと賢者の石』第6章:9と3/4番線からの旅
面倒見の良い性格
モリーは非常に面倒見の良い性格をしており、それは家族だけでなく、ハリー・ポッターやハーマイオニー・グレンジャーなど、外部人間に対しても同様である。特に家族を知らないハリーには特別な思いやりを寄せており、家族同然に誕生日を祝い、クリスマスにはお手製のお菓子やセーターをプレゼントしている。
「それ、ママからだよ。君がプレゼントをもらう当てがないって知らせたんだ。でも、――あーあ、まさか『ウィーズリー家特製セーター』を君に贈るなんて」ロンが呻いた。 ハリーが急いで包み紙を破ると、中から厚い手編みのエメラルドグリーンのセーターと大きな箱に入ったホームメイドのファッジが出てきた。
『ハリー・ポッターと賢者の石』第12章:みぞの鏡
心配性な一面も…
モリーには心配性な一面もある。特にヴォルデモートが復活し、家族が不死鳥の騎士団と行動を共にするようになってから、その性格が顕著に表れた。家族の幸せを何より大切にしているモリーにとって、心配性な一面は至極当然であると考える。
モリーのこのような性格が顕著に垣間見えるのが、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』でモリーが「まね妖怪ボガート」に遭遇した時である。「まね妖怪」は「対峙した人間が最も恐れるもの」に変身するのだが、モリーの場合それが「家族とハリーの死」であった。
「モリー、ただのまね妖怪だよ」ルーピンがおばさんの頭をやさしく撫でながら慰めた。「ただのくだらないまね妖怪だ……」
「私、いつも、みんなが死――死――死ぬのが見えるの!」
おばさんはルーピンの肩で呻いた。
「い――い――いつもなの! ゆ――ゆ――夢に見るの……」
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第9章:ウィーズリーおばさんの嘆き
外見
モリーは、小柄でふくよかな体格、色白の肌、赤毛という外見をしている。
主な活躍
ハリーの母親代わり
モリーは事実上ハリーの母親代わりであった。もちろん、法的な保護者という立場ではなく、モリーもそのことをわきまえていたが、母親同然にハリーに愛情を注いでいたことは疑いようがない。
『ハリ・ポッターと不死鳥の騎士団』では、ハリーの件で名付け親のシリウスと口論にまで発展している。モリーがハリーをどれだけ心配し気にかけているかが分かる。
「ハリーはあなたの息子じゃない」シリウスが静かに言った。
「息子も同然です」ウィーズリーおばさんが激しい口調で言った。
「ほかに誰がいるって言うの?」
「わたしがいる!」
「そうね」ウィーズリーおばさんの口元がくいっと上がった。
「ただし、あなたがアズカバンに閉じ込められていた間は、この子の面倒を見るのが少し難しかったのじゃありません?」 シリウスは椅子から立ち上がりかけた。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第5章:不死鳥の騎士団
不死鳥の騎士団のメンバー
モリーは不死鳥の騎士団のメンバーとして、ヴォルデモート率いる闇の陣営と戦った。
主に騎士団の本部だった「ブラック家の館」の管理や、食事の用意など、サポート担当としての役割が主であり、戦闘や諜報活動に加わることほとんどなかった。
「サポート役」というと脇役の様な印象があるが、モリーが不死鳥の騎士団の一員として果たした役割は非常に大きい。不死鳥の騎士団は非合法な自警組織であり、魔法省の闇祓いや警察部隊のように行政からのサポートがない。
そのため、基地を構え、団員の組織力を強めるため、モリーのように本部を管理し、食事の提供などを団員のサポートができる人材は必要不可欠なのである。
能力・特技
家事スキル
モリーは非常に高度な家事スキルを有していることが示唆されている。
ウィーズリー家は何かと金欠であり、新学期の度に新しい教科書や学用品などの出費に悩まされていた。それでもウィーズリー家の子ども達が、お腹を空かせたりひもじい思いをすることはなかった。これはモリーが魔法で料理を作る・増やすといったことを行っていたからであると考えられる。
またウィーズリー家の子ども達は、お下がりの洋服を着ていることが多いが、それでも「清潔感がない」といった印象はない。これはモリーにしっかりとした洗濯スキルがあったことを意味している。
決闘技術
モリーは高度な決闘スキルを有していることが示唆されている。
彼女はデスイーターの中でも凶暴で強敵であったベラトリックス・レストレンジを倒した。