ハリーポッターの世界に登場する特殊能力「パーセルマウス」。
「蛇語=パーセルタング」を理解できる特別な能力で、蛇と会話ができる。魔法界でも非常に稀なその能力を発現させた魔法使いは、サラザール・スリザリンやヴォルデモート卿など、数えられるほどしか存在していない。
パーセルタングは「蛇語」と言われているが、
言語ではなく魔法の一種である可能性がある。
ここではその可能性と根拠について詳しく解説していく。
パーセルタングとは?パーセルマウスとの違い
「パーセルタング」とは「蛇語」とも呼ばれ、魔法使いと蛇がコミュニケーションを取る際に利用する「言葉」のようなものである。パーセルタングを扱うことができる魔法使いを「パーセルマウス=蛇語使い」と呼ぶ。
- パーセルタング → 蛇の言葉、蛇語のこと
- パーセルマウス → 蛇語を操る魔法使い
「パーセルマウスだよ!」ロンが繰り返した。
「ヘビと話ができるんだ!」
「そうだよ」ハリーが答えた
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第11章:決闘クラブ
「蛇語」は言語ではなく魔法の一種である考察
この記事では「蛇語は言語ではなく魔法である」という説を検証し考察していきたい。
ハリポタの原作や映画では「言語」であるかのように描かれているが、考察を深めていくと「魔法」の一種である可能性が非常に高いことが分かる。
蛇語は魔法:根拠①遺伝する能力である
蛇語は世代を通じ遺伝する能力である。魔法使いの子どもが魔法使いの能力を持って生まれるように、生まれつき身についている能力である。
トム・リドルは幼少期から蛇語を習得していた
「パーセルタングは魔法である」という説の根拠の一つ目は、蛇語そのものが「遺伝する能力」であること。
実際、ハリー・ポッターと謎のプリンスでは、孤児院でマグルに囲まれて育ったトム・リドル(ヴォルデモート)が自然に蛇語を習得している様子が描かれている。
「僕は蛇と話ができる。遠足で田舎に行ったときにわかったんだ―向こうから僕を見つけて、僕に囁きかけたんだ。魔法使いにとってはあたりまえなの?」
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第13章:リドルの謎
もし蛇語が言語であれば、遺伝することはあり得ない。言語はその言葉が使われている環境で育つことで自然と覚えるか、学習して習得するものだからである。日本人の間に生まれた子供が、英語圏で育ったため日本語が話せない、といったことがあるが、それが良い例である。
サラザール・スリザリンの家系は蛇語話者が多数
また原作の『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、サラザール・スリザリンの血を引く「ゴーント家」が登場しているが、彼らは全員がパーセルマウスである。以下が原作に登場するゴーント家のメンバーである。
- マールヴォロ・ゴーント(ヴォルデモートの祖父)
- モーフィン・ゴーント(ヴォルデモートの伯父)
- メロピー・ゴーント(ヴォルデモートの母)
ゴーント家の一人娘である「メロピー・ゴーント」がヴォルデモート卿の母親に当たる人物であるが、彼女もパーセルマウスであった。
このように、パーセルマウスの能力は遺伝することが分かる。
蛇語は魔法:根拠②蛇をコントロールできる
二つ目の根拠は「蛇語でヘビをコントロールする」ことができる点である。もし蛇語が通常の言語であれば、蛇と話はできてもコントロールはできないはずである。蛇をコントロールできるのは、蛇語がヘビを使役できる魔法の一種であるからであると考えられる。
決闘クラブで蛇を大人しくさせるハリー
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の決闘クラブで、ドラコ・マルフォイがヘビを召喚するシーンがあるが、その際ハリーはパーセルタングを使って蛇を大人しくさせ、コントロールしている。
「手を出すな。去れ!」
すると、不思議なことに―説明のしようがないのだが―ヘビは、まるで庭の水撒き用の太いホースのようにおとなしくなり、床に平たく丸まり、従順にハリーを見上げた。ハリーは恐怖がすーっと体から抜け落ちていくのを感じた。もうヘビは誰も襲わないとわかっていた。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第11章:決闘クラブ
バジリスクを使役するトム・リドル
トム・リドルは蛇語を使ってバジリスクを使役し、完全に支配していた。明らかな主従関係と言えるほど、強力にバジリスクをコントロールできていたが、それは蛇語の力と言えるのではないだろうか。
リドルの低いシューッという声が聞こえてきた。
「あいつを殺せ」
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第17章:スリザリンの継承者
蛇語は蛇と意思疎通・コントロールできる呪文
ここまで蛇語の詳細を見てきたが、蛇語が魔法の一種であると考えられるのではないだろうか。また、魔法というだけでなく、蛇語そのものが「ヘビをコントロールする呪文」のような機能も持っていると考えられる。
後天的に習得可能
魔法使いなら後天的に習得できる
パーセルマウスの能力は遺伝する魔法ではあるが、魔法であるがゆえに、後天的に習得可能な能力であると言える。実際、『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、ロンがハリーの蛇語を真似て使用している。
ロンは、恐ろしい、喉が詰まるようなシューシューという音を出した。
「君がロケットを開けるとき、こうやったのさ」ロンは申し訳なさそうに言った。
「ちゃんとできるまでに、何回か失敗したけどね、でも」ロンは謙遜して肩をすくめた。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第31章:ホグワーツの戦い
マグルは習得できない
蛇語そのものが呪文の効果を持っていると考えると、マグルは習得できないと考えられる。蛇語の音はマネできるかもしれないが、ハリーやロンが使ったような「真の蛇語」の機能を発動することは不可能だと思われる。
YouTubeの解説
本件はYouTubeでも考察&解説している。
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