なぜウィーズリー家は貧乏?純血なのに?ハリポタ界の謎を徹底考察&解説!

考察&解説
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ハリポタ魔法界の純血氏族として知られているウィーズリー家。
しかし作中では貧乏であることが度々示唆されており、それはウィーズリー家を揶揄する目的で発言されることもある。

「ウィーズリー、君がこの店にいるのを見てもっと驚いたよ」マルフォイが言い返した。「そんなにたくさん買い込んで、君の両親はこれから一ヵ月は飲まず食わずだろうね」
ロンが、ジニーと同じぐらい真っ赤っ赤になった。
『ハリーポッターと秘密の部屋』第4章:フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店(ドラコ・マルフォイのセリフ)

ウィーズリー家が経済的に余裕がないことは周知の事実であるが、それがなぜなのか、はっきりした理由を知らない方も多い。この記事ではウィーズリー家が貧乏な理由を原作のハリーポッターの描写をもとに、一般的に語られている「定説」に触れながら考察していく。

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純血なのになぜ貧乏?

ウィーズリー家の経済状況をみて「なぜ純血なのに貧乏なのだろう」と思う方が多い。
しかし、そもそも「純血だからお金持ち」という前提が間違いである

純血=金持ちは間違い

純血とは魔法族との婚姻を繰り返し、魔法使いの家系としての歴史が長い一族を表す言葉であり、経済状況を意味する言葉ではない。ただ単純に、魔法界で長く存続する家系を意味しているだけで、魔法界の「貴族」や「特権階級」といった立ち位置ではない。

なので「純血だからお金持ち」という認識は大間違いだと言える。
魔法界の純血は、広大な領地を持ち、小作人を雇い莫大な不労所得を得ている特権階級、といった存在ではないのである。

作中で「純血のお金持ち」としてマルフォイ家が目立っているため、上記のような勘違いが生まれているが、純血氏族が一般的な経済状況であることは珍しくない。

実際、ロングボトム家、アボット家、クラウチ家などの純血が登場したが、特別に羽振りが良い様子はない。またサラザラール・スリザリンの末裔であった「ゴーント家」は、誰も定職についていなかったため、経済的に困窮していた様子が描かれている。

➡純血氏族「聖28一族」の詳しい解説&まとめ

貧乏な理由①アーサー・ウィーズリーの給与が低い

ウィーズリー家の懐事情にゆとりがない理由の一つは、一家の長である「アーサー・ウィーズリーの給与が低いから」というのが理由の一つだと考えられる。案外、普通の理由なのだ。

アーサーは魔法省に勤務しており肩書としては「役人」であるが、イギリス魔法界はたとえ魔法省に勤めている人物であっても、待遇は部署ごとにかなりの差がある。

以下はアーサーの職場の様子である。

ウィーズリー氏のしょぼくれた部屋は、箒置き場より少し狭いように見えた。机が二つ押し込まれ、壁際には書類で溢れ返った棚が立ち並んでいる。(中略)
「窓がなくてね」おじさんはすまなそうにそう言いながら、ボマージャケットを脱いで椅子の背に掛けた。
「要請したんだが、我々には必要ないと思われているらしい。さあ、ハリー、掛けてくれ。パーキンズはまだ来てないようだな」
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』第7章:魔法省

アーサーが務めている「マグル製品不正使用取締局」は、オフィスの様子から推察するに、いわゆる「窓際部署」であり(オフィスに窓はないが…)魔法省内でも重要性が低い思われていることが想像できる。

また、人員も局長のアーサーと部下のバーキンズ氏のたった2名だけである。
「部署の人員がたった2名」というのは、一般的に考えて、予算が潤沢であるとは言い難い。

ゆえに、アーサーに支払われている給与も高くないことが考えられる。

また次はアーサーの給与事情に関するルシウス・マルフォイのセリフである。ルシウスがアーサーの給与額を正確に把握しているとは思えないが、薄給であることはお察しのようである。

「お役所はお忙しいらしいですな。あれだけ何回も抜き打ち調査を……残業代は当然払ってもらっているのでしょうな?」 マルフォイ氏はジニーの大鍋に手を突っ込み、豪華なロックハートの本の中から、使い古しのすり切れた本を一冊引っ張り出した。「変身術入門」だ。
「どうもそうではないらしい。なんと、役所が満足に給料も支払わないのでは、わざわざ魔法使いの面汚しになる甲斐がないですねぇ?」
『ハリーポッターと秘密の部屋』第4章:フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店(ドラコ・マルフォイのセリフ)

このように、ウィーズリー家の稼ぎ手である「アーサーの給与が少ない」ことは、
ウィーズリー家が貧乏である理由のひとつであると考えられる。

貧乏な理由②子沢山のため出費が多い

ウィーズリー家は6男1女の大家族である。
『ハリーポッターと賢者の石』時点では長男・次男はすでに独立していたが、一時期は7人の子ども達を同時に養っていたことになる。当然、一般的な家庭より出費が多くなる。

アーサーの給与が低いことは前述のとおりだが、
そのうえで7人の子どもを養うには相当な負担である。

ホグワーツで学ぶ際の出費

ウィーズリー家の出費として大きな割合を占めているのはホグワーツの学用品である。

ホグワーツの学費や食費、水光熱費は無料であるが、学用品は各家庭の負担となる。

入学時にローブ、杖、教科書、大鍋など、一通り買うことになる。また7年間でローブは成長に合わせて仕立て直し、教科書も学年が上がり、受講する科目ごとに買い足していく必要がある。

これら毎年の出費がウィーズリー家の懐事情を圧迫している様子は、以下のように描写されている。

「この一式は安くないぞ」ジョージが両親のほうをちらりと見た。
「ロックハートの本はなにしろ高いんだ………」
「まあ、なんとかなるわ」 そう言いながら、おばさんは少し心配そうな顔をした。
「たぶん、ジニーのものはお古ですませられると思うし……」
『ハリーポッターと秘密の部屋』第4章:フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店(ホグワーツからの教科書リストを読んだウィーズリー家の反応)

優秀な子ども達と「お祝い」による出費

ウィーズリー家は優秀な子どもたちばかりで、皮肉にもそれが家計を圧迫する要因の一つとなっている。というのも、ウィーズリー家では「監督生」や「首席」に選ばれた際にウィーズリー夫妻がお祝いの品をプレゼントしているのだ。

これまで、長男のビル、次男のチャーリー、三男のパーシー、六男のロンが何らかのお祝いの対象になっている。

例えば、原作の『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』でロンが監督生に選ばれた際、ウィーズリー夫妻はロンに新しい箒をプレゼントしたが、そのときの描写がなんとも切ない

「ママ」ロンが期待を込めて聞いた。
「新しい箒、だめ?」 ウィーズリーおばさんの顔が少し曇った。箒は高価なのだ。
「そんなに高級じゃなくていい!」ロンが急いでつけ足した。
「ただ――ただ、一度ぐらい新しいのが……」 おばさんはちょっと迷っていたが、にっこりした。
「もちろんいいですとも……さあ、箒も買うとなると、もう行かなくちゃ。みんな、またあとでね……ロニー坊やが監督生! みんな、ちゃんとトランクに詰めるんですよ……監督生……ああ、私、どうしていいやら!」
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』第9章:ウィーズリーおばさんの嘆き

このように、優秀な子どもたちが多いがゆえに家計を圧迫してしまうようである

貧乏な理由③収入に対して出費が多いため貯金ができない

これまでの考察をまとめると、ウィーズリー家の経済状況が悪い理由は「収入に対して出費が多い」ことが原因であると言える。案外、原因は普通である。

そのせいで「貯金ができない」というのも懐が寂しい要因となっている。
以下はウィーズリー家のグリンゴッツの金庫の様子である。

ハリーは、ウィーズリー家の金庫までは猛スピードで走る旅を楽しんだが、金庫が開かれた時は、「夜の闇横丁」に着いた時より、もっとずっと気が滅入った。シックル銀貨がほんのひと握りと、ガリオン金貨が一枚しかなかったのだ。ウィーズリーおばさんは隅っこのほうまでかき集め、ありったけ全部をハンドバッグに入れた。
『ハリーポッターと秘密の部屋』第4章:フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店

長男・次男がすでに独立していた『ハリーポッターと秘密の部屋』時点で、上記のような経済状況である。ウィーズリー家は毎月・毎年ギリギリでやりくりしていたことが想像できる。

定説の否定:貧乏なのはアーサーとモリーが駆落ちしたから?

ウィーズリー家が貧乏である理由として「アーサーとモリーが駆け落ち」したため「両家から遺産を受け取れなかったから」もしくは「金銭的援助を受けれらなかったから」という説が挙げられることがある。しかし、これは原作の描写から考えると、正しいとは言えない。

アーサーとモリーは、ウィーズリー家の親戚と確固とした繋がりがある。
もし本当に駆け落ちしていた場合、両家とは無縁になるはずである。

しかし、ビルとフラーの結婚式には、ウィーズリー家のメンバーが大勢参列した。絶縁状態であれば、そのようなことはありえないだろう。また、プルウェット家(モリーの旧家)のミュリエルは一家に何百年も伝わる「ムーンストーンとダイアモンドできたゴブリン製のティアラ」を新婦のフラーに貸したほどである。

そのため、「駆け落ち説」はウィーズリー家の経済状況を説明する根拠と考えることは難しい。

まとめ:ウィーズリー家が貧乏な理由

  • アーサーの給与が少ない
  • 子どもが多く、出費が多い
  • 出費が多いため貯金がほとんどできない

以上がウィーズリー家が貧乏な理由である。

ちなみに、ウィーズリー家の経済状況は『原作のハリーポッターと謎のプリンス』で改善した様子が描かれている。詳しくは以下のリンクから記事を読んでみて欲しい。

➡ウィーズリー家の経済状況は改善した?(執筆中)

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